障害者雇用促進制度における障害者の範囲等の在り方に関する研究会がスタート ~1月にJPAなど3団体、地域障害者職業センター、ハローワークからヒアリング

 昨年(平成22年)6月に閣議決定された「障害者制度改革の推進のための基本的な方向について」では、労働及び雇用の分野について、来年(平成24年度)内を目途に、雇用率制度についての検証・検討および職場での合理的配慮確保のための方策について検討していくことが記載されています。
 この研究会は、これをふまえて、障害者雇用促進制度における障害者の範囲等について検討を行うことを目的に開催されています。
 第1回(11月18日)では、開催にあたっての趣旨の確認、障害者制度改革の動きと現行の障害者雇用促進制度について、今後の研究会の進め方についてが確認された後、委員からの自由な意見交換が行われました。
 第2回(12月13日)は、研究会委員を出している団体から、社会福祉法人日本身体障害者団体連合会、社会福祉法人日本盲人会連合、社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会、公益社団法人全国精神保健福祉会連合会の4団体からのヒアリングが行われました。また、「障害者の雇用に関する事業所アンケート(案)」が配布され項目についての検討が行われました。
 第1回、第2回の配布資料は、厚生労働省ホームページに公表されています。公開で傍聴もできます。
 第1回http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001uuh5.html
 第2回http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001y1j0.html
 研究会は来年8月を目処に、この研究会と同時にあと二つ、差別禁止法についての研究会と、地域就労支援についての研究会の三つを開催しながら、障害者雇用促進制度の課題を整理してとりまとめを行い、秋に親審議会である労働政策審議会障害者雇用分科会に報告されます。
 12月14日に行われた第47回労働政策審議会障害者雇用分科会で、この3つの研究会の開催状況とスケジュールについても確認されています。
 http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000001y5tn.html
 今後、法改正にまでいくかどうかは現時点では未定とのことです。

 1月24日の第3回障害者雇用促進制度における障害者の範囲等の在り方に関する研究会に、ヒアリング団体としてJPAに正式に要請がありました。当日は伊藤たてお代表理事が15分程度の陳述を行う予定です。
この日は他に、社団法人日本てんかん協会、一般社団法人日本発達障害ネットワーク、地域障害者職業センター、ハローワークが意見を述べる予定です。
 ヒアリング項目はすでに過去2回の資料でも公表されていますように、次の5つの質問に簡潔に答えることになっています。
1)障害者雇用促進制度における障害者の範囲についてどのように考えているか。
2)障害者雇用促進制度における障害者の範囲を就労の困難さに視点を置いて見直すことについてどのように考えているか。
3)雇用率制度における障害者の範囲(雇用義務の対象範囲)について、どのように考えているか。
4)その他現行の障害者雇用促進施策についてどのように考えているか。
  (見直すべき点など)

 JPAとしては、障害の範囲を広げて難病や慢性疾患の人たちが職場で安心して働き続けられる環境をつくるために必要な制度改正を要望していくことになります。そのうえで、これまで身障手帳によって雇用率にカウントされている内部障害の人たちの経験や、モデル事業(難治性疾患患者雇用開発助成金)での就労経験などで具体的に課題としてあがっていることなどはとても参考になります。各団体で国などに出されている要望書やアンケート調査のまとめ、具体的な事例などがありましたら、意見陳述の際の参考にしたいと思いますので、事務局までお送りください。
 ただし、意見は年開けすぐに事前に提出しなければなりませんので、1月10日までにメールまたはFAXでJPA必着でお願いします。(文責 水谷)

2011年12月29日