難病・小慢の合同委員会が、2025年8月26日(火)15時よりAP虎ノ門Bルームにて開催されました。
JPAから、大黒宏司代表理事が出席いたしました。
当日の配布資料および議事録
下記のURLからダウンロードいただけます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_62299.html
議事次第
- 既存の指定難病に対する医学的知見の反映について
- 臨床調査個人票の更新申請の期間延長に関する検討について
- 指定難病患者データベース及び小児慢性特定疾病児童等データベースと他の公的データベースとの連結解析の開始について(報告)
「1.既存の指定難病に対する医学的知見の反映について」では、前回の委員会で、アップデートされた診断基準や重症度分類の既存の医療費助成対象者への適用について、最新の医学的知見に基づく診断基準等のアップデートは今後も想定されることから、その運用の在り方について議論がなされました。(資料1)事務局案として、前回決定した運用(※)を令和9年度以降も適用していくことが示されました。(※診断基準については、新たに指定難病に認定される患者(新規認定者)や過去の診断情報が不明な患者には新基準を適用することとし、既に指定難病と認定された患者(既認定者)には、新基準を用いての診断のし直し等は行わず、引き続き当該指定難病の患者として扱う。また、重症度分類については、新規認定者、既認定者いずれにおいても、アップデート後の新しい重症度分類を適用する。)
「1.既存の指定難病に対する医学的知見の反映について」についての大黒委員の意見は以下の通りです。
大黒委員
医療費助成に非該当となった方でも、過去に診断基準で指定難病に診断されたと判断できる方については、認定済みと考えてよいか。
事務局(難病対策課)回答
診療録や医療機関からの情報提供、受給者証、登録者証等をもとに、当該患者が過去に支給認定を受けていたと判断される場合には、認定済みで問題ないと考えている。
同じく患者会からの構成員となっている柏木明子委員(有機酸・脂肪酸代謝異常症の患者家族会ひだまりたんぽぽ 代表)からも以下の意見が出されました。
柏木委員
診断基準や重症度分類のアップデート前の患者への説明、周知方法の工夫について検討をお願いしたい。
具体的には新しい基準がまとまった段階で、研究班の先生から当事者や患者団体へ説明をいただくのが理想。
それが難しい場合でも、パブリックコメントの募集を疾患名を含むハッシュタグ付きでSNS等に発信してもらえば、当事者が情報を受け取りやすくなるのではないかと思う。
現状のパブリックコメントの募集は、見つけにくく、患者に直接周知もされていないため届きづらい。
事務局(難病対策課)回答
これまでもアップデート前にはパブリックコメントを実施しており、その旨を代表する患者団体へ周知する方法を取ってきていたが、今後疾患名を含んだ周知の在り方が可能かどうか検討したい。
他の委員からは、現状の登録者証には疾患名が含まれていないが、希望者には疾患名を登録していくことで、病院などが変わっても証明書になるのではないかといった意見が出され、提案は承認されました。
「2.臨床調査個人票の更新申請の期間延長に関する検討について」では、臨床調査個人票の更新申請の期間延長について、現状一年に一度必要となっている難病・小慢の医療費助成の更新頻度見直しの検討の議論が行われました。(資料2)更新にあたり、医師の診断書や住民票、課税証明等を毎回提出する必要があることから、患者団体だけでなく医療機関や自治体からも更新申請の簡素化の要望が上がっていたことを踏まえ、研究班にも更新頻度について意見を求めたところ、約6割が2年~3年に1回の頻度にすることが可能ではないかと回答したため、今回見直しの検討に着手されることとなりました。具体的な実施方法としては、各指定難病について2018年に診断された患者に絞り、5年間の重症度分類の推移の調査を実施し、その後研究班にて更新期間の延長がどの程度可能か検討したうえで、指定難病検討委員会へ報告・審議を行い、その審議結果を難病対策委員会へ報告する流れになります。スケジュールについては、検討にあたって相当な時間を要するため、2026年度末までに各疾患のレビューを行い、延長可能と判断された疾患については、2028年4月1日より順次適用開始予定とした案が示されました。
「2.臨床調査個人票の更新申請の期間延長に関する検討について」についての大黒委員の意見は以下の通りです。
大黒委員
検討にあたっては、疾患の特性を踏まえた検討と個別性を踏まえた検討があるかと思うが、今回は疾患の特性に着目した検討であるととらえている。
一方で、個別性に着目した検討もあるかと思うが、そのあたりどのように考えているか伺いたい。
事務局(難病対策課)回答
疾患の特性と個別性については、疾患全体として見ていくのか、その疾病の患者個々人を見ていくのかどうかとの質問であると受け止めている。
今回の検討にあたっては、疾病ごとにどういった様相を呈するのかという点を統計データから見ていく予定であるので、疾病の特性に着目して検討していく。
また、福島慎吾委員(認定NPO法人難病のこども支援全国ネットワーク専務理事)も以下の意見を述べました。
福島委員
小慢については今後調整が整い次第実施する旨の記載があるが、置いていかれないか心配している。
先の見直しで導入された登録者証についても、小慢と指定難病で取り扱いが異なっており、当時の話だと小慢もニーズ調査を行って対応していくと聞いていたが、その後大きな動きはない。
指定難病の検討を先行して進めていただくのはもちろんよいが、適用の開始時期については両者にズレがないよう進めてほしい。
また、小慢の申請を増やすためには、今回提案のあった更新申請の期間延長やオンライン化など申請手続きの簡素化がかかせないが、加えて文書料の公費負担がないとなかなか進まないので検討してほしい。
もう一点は、子どもの医療費無料が都市部も含め増えてきており、小慢であっても他の公費負担医療を利用している方も多数いるので、そういった方もデータの提供に同意された方については取得できるようにしたり、自立支援事業の対象者であることを明確にする登録者証を発行するなど、そういった形で進めてほしい。
事務局(難病対策課)回答
今回小慢の提案ができていないことについては、可及的速やかに検討したい。適用開始時期の遅れがないようにという点、またその他に提案のあった点についても意見として承りたい。
「2.臨床調査個人票の更新申請の期間延長に関する検討について」については、上記以外に他の委員から意見は出されなかったため、提案は承認されました。
「3.指定難病患者データベース及び小児慢性特定疾病児童等データベースと他の公的データベースとの連結解析の開始について(報告)」では、難病と小慢のデータベースと他の公的データベースとの連結解析の開始について、報告が行われました。(資料3)これまで難病・小慢データベースの間での連結解析は可能でしたが、NDBをはじめとする他の公的なデータベースとの連結解析については、どのような形であれば実施できるか検討中となっていました。その連結解析の方法について、ID4というカナ・氏名・性別・生年月日を用いた連結が可能となったため、本年12月より他の公的データベースとの連結解析を開始予定であることが報告されました。また、開始に向けたスケジュールとして、政省令の改正や申請者が申請時に参照するガイドライン、手続きに用いる申請様式の改定の他、施行され実際に申請が上がってくる前に、データ提供の審査委員会にて模擬審査の実施を予定していることが示されました。
「3.指定難病患者データベース及び小児慢性特定疾病児童等データベースと他の公的データベースとの連結解析の開始について(報告)」についての大黒委員の意見は以下の通りです。
大黒委員
データ提供に関しての考え方はわかったが、先ほど福島委員から指摘のあった小慢のデータや指定難病の軽症者のデータなど、データの網羅性がかなり不足しているのではないかと思う。この状況をどのようにして増やしていくのか懸念しているが、何か手だてや方向性があれば伺いたい。
事務局(難病対策課)回答
法定化され、現在より一層取り組みを強めており、データ収集に努めていこうと考えている。どういった形でデータが活用されているか、実績が積みあがることで有用性が伝わってくる部分があるので、引き続き取り組みを進めていきたい。
他の委員からは、ID4による連結の際の誤突合への対応や、今後よりスムーズに連結を行うための新たな仕組みの導入などについて意見が出され、今回の報告に沿って手続きを進めていくこととなりました。
最後に事務局より次回の委員会の日程については、決定次第連絡することがアナウンスされ、委員会は終了しました。
以上
