難病・小慢の合同委員会が、2025年12月25日(木)10時よりAP虎ノ門C+Dルームにて開催されました。
JPAからは、委員である大黒宏司代表理事が、急遽同時刻に開催された高額療養費制度の在り方に関する専門委員会へ出席することとなったため、 大坪恵太事務局長が参考人として出席しました。
当日の配布資料
厚生労働省ウェブサイトからダウンロードいただけます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_67916.html (厚生労働省ウェブサイトへリンク)
議事次第
(1)既存の指定難病の要件該当性の確認について
(2)臨床調査個人票の更新申請の期間延長に関する検討について(令和7年度地方分権改革に関する提案関連)
(3)その他(報告)
1. 医療法等改正法(改正難病法及び改正児童福祉法)の成立について
2. 障害基礎年金等の支給額に合わせた対応について
(1)では、令和6年10月に指定難病の要件を満たさない可能性がある疾患として、さらなる調査が必要とされていた4疾患(スティーヴンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症、広範脊柱管狭窄症、アトピー性脊髄炎)について、調査結果を踏まえた検討結果と今後の対応案が示されました。
結論としては、4疾患すべてで指定難病の要件を満たす見込みであることが確認されました。(資料1の3ページ~5ページ参照)
また、今後指定難病の要件を満たしていないと判断される疾病が出てきた場合の経過措置案として、指定難病から外れた場合も、その判断の安定性を確認する観点から、すでに医療費助成の支給認定を受けたことがある患者については、引き続き同様の医療費助成を継続する案が示されました。
その後、議論が行われ、大坪氏から以下の発言がありました。
【大坪氏】
資料1について、2点確認したい。
1点目、2ページの見直しの経緯について、今回研究班に指定難病の要件該当性を確認し、すべての指定難病の要件該当性について総ざらいをされたと理解しているが、現時点で要件に該当しない可能性のある疾患は、4疾患以外にはないということでよいか。
また関連して、このような見直しは、今後定期的な実施を予定しているか、具体的な時期など見通しがあれば教えてほしい。
続いて2点目、6ページの経過措置案について、上段の下線部では、「すでに支給認定を受けたことがある患者については、引き続き同様の医療費助成を継続する こととしてはどうか」との記載となっている一方、下段の2つ目の下線部分では、「大臣告示から病名が削除されたあともなお、支給認定を有効とする経過措置を置く」との記載になっている。
この経過措置には、期間に定めがあるのか、ないのか伺いたい。
【事務局(厚生労働省難病対策課)】
1点目について、今回の見直しにおいては、提示した4疾患以外に要件に該当しない疾患はなかった。
また、次回の見直しの時期については未定だが、今後も行うことが想定されている。
2点目、経過措置については、現時点で具体的な期限を決めているものではない。
今後実際に外れるような疾患が出てきた場合に、その疾患の特性等も踏まえながら、検討していくものと考えている。
同じく患者会からの構成員となっている柏木明子委員(有機酸・脂肪酸代謝異常症の患者家族会ひだまりたんぽぽ代表)からも以下の意見が出されました。
【柏木委員】
(資料1の4ページに記載の)医薬品副作用被害救済制度の不支給決定通知書は、患者が個別にPMDAに請求して取得するとのことですので、こうした手続きが患 者や家族にとって新たな事務的・心理的負担にならないよう、手続きの簡素化や該当者への丁寧な説明をお願いしたい。
また、今後も患者の生活や治療継続の視点を重要な評価軸として位置づけ、これまで支給を受けてきた方が不利益を被ることのないよう、引き続き検討を重ねてほしい。
【事務局(厚生労働省難病対策課)】
1点目については、今後通知にて明らかにし、指定医や自治体へ連絡、PMDAとも連携しながら、負担が生じないよう配慮していきたい。
また、2点目については、これまで治療を受けてきた患者様の負担にならないよう、基本的に返還請求は行わないことで整理を行った。
引き続き、影響が極力ないように配慮していきたい。
その他、委員による質疑応答・意見を経て、提案は承認されました。
続く(2)では、前回の委員会で承認された臨床調査個人票(臨個票)の更新申請の期間延長について、データの解析方法を含む検討の進め方の案が示されました。(資料2の2ページ参照)
検討方法として、まず令和5年度の指定難病の受給者数上位20疾患を対象に、重症・軽症の割合の経年変化に関する傾向を把握することが検討されています。
具体的には、臨個票に記載の発症年月と記載年月日の差分から、診断後1年、2年、3年、4年、5年と診断時点から臨個票の記載時点までの期間を特定し、データ化されるとのことです。
各指定難病についてデータ化したのちに、指定研究班にて、データの内容だけでなく、医学的特徴やデータを研究利用する際の研究の趣旨等も勘案しながら、更新期間の延長が可能かどうか検討を行い、その結果を受けて指定難病検討委員会にて議論がなされる流れになります。
その後、議論に移り、大坪氏から以下の発言がありました。
【大坪氏】
解析手法や検討の進め方については概ね理解したという前提で、4点、確認と意見を述べたい。
まず1点目、資料2の2ページ目の1で令和5年度の受給者数上位20疾患を対象としているが、前回の委員会では2018年度時点での指定難病331疾病について検討を行うことになっていたかと思う。
20疾患以外の指定難病への今後の対応について見解を伺いたい。
続いて2点目、現在の指定難病は348疾病になるが、2018年度時点からは17疾病増えている。
これらの増えた疾病への対応について、例えば指定難病に指定されて5年以上が経過したらレビューを開始する等、考えがあれば伺いたい。
3点目、前回小慢についても調整が整い次第検討を行うとの説明があり、福島委員からも適用の開始時期について小慢と指定難病でズレがないよう進めてほしい旨の発言もあったと記憶している。
小慢について、現状どのようになっているか説明をお願いしたい。
最後に4点目、スライドの中で軽症という言葉が何度か出てくるが、3の注釈にもある通り、ここでの軽症は、症状が軽度のため医療費助成の対象にはならない、いわゆる軽症者ではなく、軽症高額に該当する方、すなわち高額な医療を受けていることで軽症の状態を維持されている方になるので、現状では軽症者を含めることができないのは十分理解しているが、この重症と軽症の比較については、違和感を持たれる患者さんもいらっしゃるように思うので、意見として述べておきたい。
【事務局(厚生労働省難病対策課)】
1点目について、いきなり331疾患の解析ではなく、まずは上位20疾患に絞って解析し、どのようなデータが出てくるか、それを踏まえ他の疾患についてどう解析を進めるかを検討したいと考えている。
2点目について、今回は2018年時点の331疾病で考えているが、今後データ等が集まってきた段階で、どのようにしていくのか改めて検討したいと考えている。
3点目について、前回の委員会から解析手法について話を詰めていたところがあり、小慢についてはまだ進んでいない。
まずは指定難病の解析を進めながら、それらで得られた解析手法を踏まえて小慢にも取り組むことを予定している。
4点目について、指摘の通りで、解析を通じて出てきたデータだけで判断することはできないため、医学的知見を持つ指定研究班の先生方の意見も踏まえながら、期間延長ができるか検討したいと考えている。
【大坪氏】
1点目について追加で伺いたいが、前回スケジュールとして2026年度末までにレビューを行い、2028年4月1日から順次適用することが示されたが、こちらについては変更なしとの理解でよろしいか。
【事務局(厚生労働省難病対策課)】
スケジュールについては、当初示した通りで考えている。
また、柏木委員からも以下の確認と意見が出されました。
【柏木委員】
3点確認したい。
まず1点目、本調査が個人の経過ではなく、集団を対象とした解析となる理由についてお尋ねしたい。
これは、難病データベースの運用年数がまだ浅いため、本来であれば個人の経過を追う解析の方がより正確な判断につながるものの、現時点ではその手法が取れないため、疾患ごとに全体としての重症度の推移を数値化していくと受け止めたが、そうした理解でよろしいか。
また、この結果が、個人レベルでの推移とどの程度一致するか検討することについては、どのように考えているか。
2点目、仮に延長が決定した場合、その延長した期間中に患者さんに大きな変化が生じる場合もあるかと思う。
これは研究の観点からも大変重要な情報であると思うので、一定の変化が生じた際には、その記録が何らかの形で積み上げられる仕組みについても、あわせて検討されることを希望したい。
3点目、延長可能となった場合に保険証の確認や所得区分判定も完全に自動化されることで、その手続きも延長可能となることが期待されるが、そのような未来を見据えての検討だと受け止めている。
ただ、現時点では、その他の提出手続きは今後も当面発生するとの理解でよろしいか。
【事務局(厚生労働省難病対策課)】
1点目について、難病データベースでは個人に着目したデータが取れるが、膨大な数となり、症状も様々なため、その解釈をどうするかという問題がまず生じる。
また、直近で重症・軽症がどう変化しているかを追う目的からすると、やはり年ごとのデータを追うのが評価方法として適切ではないかと考えている。
個人レベルの推移と必ずしも一致しないことは、指摘の通りで、集団全体を見ている以上、そのようなデメリットが生じることは承知している。
ただ、疾患全体として、臨個票の更新申請の期間延長ができるかを検討していくため、個人に着目した検討でないことを踏まえると、疾患全体のくくりとして解析することが1つ大事な点と思う。
2点目について、基本的に期間延長されている方は医療費助成の対象で、医療費助成の対象ではないところから生じるような変化ではないと思う。
そういったところからも御理解をいただきたい。
3点目について、臨個票の更新期間の延長についての議論であるが、例えば所得水準等の確認については、これからも毎年確認が必要になるところと思う。
その後、(2)の提案について承認された後、(3)の報告が行われ、委員会は終了しました。
報告は以上です。
この件に関するお問い合わせ
一般社団法人日本難病・疾病団体協議会
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